日本ラグビーフットボール協会さまと意見交換を行いました。

2019/08/02



2019年7月31日(水)、日本ラグビー選手会の畠山会長と川村副会長が日本ラグビーフットボール協会さまと意見交換を行いました。先日、日本国内のラグビーリーグのプロ化構想の宣言をされた清宮克幸副会長ともお会いし、以下の趣旨のお話をしていただきました。

(※本記事は清宮副会長に事前に確認許可を取り掲載しております)


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「プロ化する事の意義について」

まず、ラグビーというものの価値を最大限に高めていきたいという目的があります。

日本でラグビーワールドカップが開催され、その前後で、日本ラグビーがこう変わったと言えるような財産を作る事が必要ですよね。しかし、残念ながらその気配はなく、これまでと何も変わらない日本ラグビー。この12年で7回の赤字決算。支えてきたのはトップリーグ参画企業とスポンサー企業の皆様のご支援でした。

日本ラグビーには多くの資源がある。これは事実だと確信しています。しかし、それを資産に変える作業はこれまでほとんど為されていません。プロ化を宣言したのは資産化への道のひとつです。

プロリーグと、社会人リーグを新たに立ち上げる。プロリーグという競技力に特化し、コマーシャライズされたリーグが必要不可欠な反面、社会人リーグもまた日本社会において必要不可欠であるでしょう。

社会人リーグに集う選手たちは社業と競技を両立していくことで、人間力を高め、社会に認められ、豊かな人生の支えになる「ラグビー力」というものが身につくのかなぁと思っています。

攻めのプロリーグ、守りの社会人リーグ。これを立ち上げることで現在のトップリーグの体制で出てきた様々な問題の多くを解決できると考えます。

例えば日本人指導者が不足しているという問題もそのひとつです。現在のチームのマネージメント層の多くは企業人・社会人(プロも含め)としての時間を経ていることが多く、社会的スキルの高い人材が豊富ですが、これに対して03年のトップリーグ創設以降、多くの日本人選手があまりにも多くの時間をラグビーに費やしてしまったがために、社会人として成長の機会を失ってしまったのではないかと思っています。もちろん、すべての人たちに当てはまる訳では無いですが、ラグビーの価値を下げてしまうことになるかもしれません。もちろん、ラグビーという競技はリーダーを育て、チームワークを大切にするのですが…。

また現在、多くの日本人選手は、大学で活躍してトップリーグのチームに入っても、出場機会に恵まれない選手が多くいます。感覚的には5人に1人ぐらいしか充分な活躍できていないのではないかと。

こういった選手が本当にラグビーをやりきったと思って引退してもらえるような環境、そして彼らが引退後社会に対して十分な還元をできる環境をこの2つのリーグを設立することで整えたいと考えています。

もちろん、社会人ラグビーで結果を残した選手は、プロリーグに挑戦できるようにし、ラグビーの価値自体を引き上げたいですね。

「企業に対して」

企業に対しては、プロリーグに参加しないのであれば、ラグビーを辞める。と言われないように、いかにこの改革がラグビーの価値を高め、ひいては企業価値の上昇に貢献するのか、しっかりと説明していきたいですね。

「選手に対して」

選手に対しては、この改革の意義をしっかりと理解してもらい、ともに歩んでいきたいと考えています。

日本ラグビーは最後のチャンスを迎えます。

ここでやらなければ、ここで動かなければ明るい未来は来ないでしょう。

今、やるしか無い。

以上が、私の想いです。

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日本ラグビー協会さまとの継続的なコミュニケーションを通じて、選手会として今後も選手の意見を日本ラグビーの未来づくりに反映させていけるよう、綿密なコミュニケーションと情報交換を図っていきたいと考えております。ラグビーを愛するみなさま、そして選手たちにとってハッピーな日本ラグビーの未来を描けるように尽力していきたいと思いますので、今後ともご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

(END 2019-08-02)